日本だけでも280種以上いる蟻。
その多くは女王を筆頭にコミュニケーション関係を築く社会性昆虫でもある。
我々人間ですら、きちんとした社会性を築いていない人も多いのに(僕含む)蟻は尊敬に値する。
そんな尊敬に値する蟻を探し出して面と向かって「尊敬に値する」と言いたくなった。土に巣を作る蟻もいれば石の下なんかで生きる蟻もいる。
と、いう訳で
手当たり次第に大きな石をひっくり返してみる。
いた。
尊敬に値する蟻だ。
蜘蛛の子を散らすとよく言うが、ひっくり返した石の裏はまさに「ありんこを散らす」状態。
そりゃそうだろう、蟻からしたら急に天地がひっくり返された訳だから。
こうして見ると蟻は重力関係なく逆さだろうが細かな毛がついた脚でくっつき歩いているのが判り尊敬に値する。
人間の感覚だとすごくつらそうだけど、吹けば飛ぶ軽さの蟻からしたら地面も天井も同じ感覚なんだきっと。
スカイツリーのてっぺんから蟻を投げても重力による抵抗が軽すぎて地面まで到達しても死なないって言うくらいだし尊敬に値する。
羽毛みたいなものである、心底尊敬に値する。
同じ地球に棲んでいても、リスクの価値観が別次元レベルに違うのだ、実に尊敬に値する。
「キミ達は尊敬に値する」
石の裏の蟻達にそう語りかけてから自室に戻りこの画像の蟻を数えてみた。
471匹いた。
まずその数がひとつの石の裏で生命を営んでいる事が尊敬に値する。
一説には地球上にいる蟻の総数は一京匹だという。
一京である。
全くピンとこない数字を持ち出すところも尊敬に値する。
-要するに一兆の一万倍である-
という解説が余計にピンとこないのも尊敬に値する。
とにかく日常にいすぎて忘れがちだが、僕らの足元に蠢く蟻はとんでもなく尊敬に値する奴らだという事を肝に銘じておいたほうが良い。
PROFILE
エンドケイプ
作詞家・クリエイター・バナナーティスト
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