MJ CULTURE

2016.07.26 Tue UPDATE CULTURE INTERVIEW

今月の映画のハナシ。岡田将生『秘密 THE TOP SECRET』

今月の映画のハナシ。岡田将生『秘密 THE TOP SECRET』

他人の秘密を知ることは痛みや強い想いまでをも受け止めること

自分を成長させてくれた映画
『るろうに剣心』の大友啓史監督が約4年の構想を経て生み出した映画『秘密 THE TOP SECRET』は、死者の脳をスキャンして記憶を可視化する“脳内捜査”で事件を暴くという、倫理的タブーに挑んだ衝撃作。本作で岡田将生は、生田斗真演じる主人公・薪とともに難事件に挑む捜査官・青木を演じ、役者としての新しい顔を見せている。

「“脳内捜査”の話を初めて聞いた時、思いもよらない世界観で、とにかく驚きました。と同時に、この作品でストーリーテラー的存在の青木を演じさせていただけるということにおもしろさも感じました。撮影に入る何ヵ月も前から大友監督と話し合いをさせてもらい、監督からは『自分の身体の中にブレない太い幹を作ってほしい』と言われ続けました。
青木は、凶悪犯罪者に家族を刺殺された過去を持ち、今でも父親が植物人間になっているという役どころ。“他人の秘密を覗き見してまで真実を知りたいか?”と脳内捜査に否定的でありながらも、この捜査方法ならいつか自分の家族をひどい目に遭わせた犯人を見つけられるかもしれないという複雑な思いを持っているんです。一見クールに見えて、心に闇を抱えた青木の心情を考えて演じることは大変でした。大友組は1シーンを長回しで何度も撮り直すんです。悩みすぎて頭痛が絶えなかったり、撮影後は声がかすれて『お疲れ様でした』がうまく言えなかったりして(笑)、この現場では何が起こるのかわからないワクワク感と撮り終えた後の達成感がありました。
劇中では、脳内映像をリアルに表現するために、役者たちがヘルメット型のカメラを付けて芝居する撮影方法も採用しています。僕自身も撮ったのですが、監督やスタッフさんに『なかなか上手いね』と褒められましたし、エンドロールにもカメラマンとして名前が入っていてビックリ(笑)。こういうなかなか体験できないことができたのも、こだわりの多い大友組ならでは、ですね。
青木の上司役の薪を演じた生田斗真さんとは7年ぶりの共演。撮影期間中、少し落ち着いた時期があって、ふたりで広島をゆっくり旅行したんです。これまでプライベートではよく会っていたし、いつも頼れる兄貴的な存在でしたが、今回ガッツリ共演して、対等に芝居の話もできて『将生ももう大人の男だな』と言われた時はすごくうれしかったですね。
斗真さんが『すべての秘密を知った時、あなたの見える世界が変わります』とこの映画のテーマについて言っていますが、僕も本当にそう思います。倫理的にも難しいテーマに挑戦していますし、アクションシーンもあって皆さんの想像を超える骨太な作品になっていますので、きっと大人の男性も楽しめる作品になっていると思います」

 

main

 

『秘密 THE TOP SECRET』
「科学警察研究所第九研究室」通称“第九”では、死者の脳内から記憶を映像化し、事件の真相に迫る捜査手段を模索していた。第九に配属された捜査官の青木は想像を絶する凄惨な仕事に違和感を覚えつつ、やがて室長の薪が抱える“秘密”に向き合うことに…。

監督:大友啓史、出演:生田斗真、岡田将生、松坂桃李、織田梨沙、栗山千明、大森南朋ほか。8月6日[土]より全国ロードショー

(C)2016「秘密 THE TOP SECRET」製作委員会

 

 

図2

« 一覧