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2016.01.22 Fri UPDATE CULTURE REGULAR

出汁をでじると読む人生
第二十七回【蕎麦屋な人生】

出汁をでじると読む人生<br>第二十七回【蕎麦屋な人生】

ニッチプラモをコレクションしている。
ニッチプラモとは文字通りニッチなプラモの事である。
以前書いた記事【プラモでスズメ蜂を学ぶ人生】のように日本のあらゆるメーカーは昭和から現代に至るまでロボットでもなく、車でもなく、戦車でも飛行機でもお城でもないプラモデルを実は多く出してきた。
そしてそんなニッチプラモには箱絵から説明書、プラモデル本体までメジャーにはない多くのユルさや物語を含んでいたりしてとても胸に込み上げてくるものがあるのでスズメ蜂に続いて考察してみようと思う。
今回はこれ!!

「アオシマ 1/35 日本の歴史 赤穂浪士 敵情偵察」である。

この赤穂浪士シリーズは全5種類あって、中でもこの敵情偵察はとても当時の小中学生を混乱させた。
もう一度言うがタイトルは敵情偵察である。

だがどう見ても平穏な蕎麦屋である。

これ、忠臣蔵や赤穂浪士を知らないと全く判らない情景なのだが、この4人の中にスパイがいる。

 

 

 

2
-正解はこの3人-

この男達こそ赤穂浪士四十七士の「杉野十平次」「倉橋伝助」「前原伊助」である!! (右で座って蕎麦食べてる客だけ無関係)
蕎麦屋として吉良邸の動向を探っている杉野とその仲間達なのだが、そんな事知らなかったらただの「アオシマ 1/35 日本の店 蕎麦屋」だ。

どうだこの胸に込み上げてくるユルい気持ち、本来プラモデルの持っていたワクワク感とはこういう事じゃなかろうか。
企画会議を通過し図面化して金型作って発売に至るという幾つものハードルを飛び越えてくる奇跡こそニッチプラモの醍醐味。

そしてこのプラモが蕎麦屋にしか見えない時点で彼ら赤穂浪士の思惑通りなのである。

 

 

PROFILE
エンドケイプ
作詞家・クリエイター・バナナーティスト
Twitter https://twitter.com/endcape
Blog http://lineblog.me/endcape/
室外機マニア http://sonzai.net/

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