今回はニッチプラモのコレクションからアリイの昭和の歳時記シリーズより「行水」を紹介したい。
この直球タイトル、そしてセンセーショナルなジオラマは歳時記シリーズの中でも珍品かつ群を抜いて人気が高い。
なにしろ数ある昭和の情景の中から「行水」シーンをプラモ化するこのセンス。
きっと制作者にとっても思い出深いのだろう行水は。
「昔は良かったよ、庭でお姉ちゃんがスッポンポンになって行水してたんだからさ」なんて具合に。
「それでもって隙間から覗けちゃうんだよ」と。
そう。
お気付きだろうか?
このプラモデル「行水」の真髄とは…
覗いてる!!
ここまで表現されているのである。
しかもパッケージ写真の絶妙な陰影具合で、覗き魔はより怪しくその絶対的ポジションをキープしているのである。
-しかも子供にバレている-
この少年、おそらく行水している子の弟か息子である。
写真だと判りにくいが、ちゃんとこの覗き魔を指さしているのだ。
もうこうなるとメインのスッポンポンの事などどうでも良くなってしまい、むしろ制作陣はこれがやりたかっただけなんじゃないかと思えてくる。
そして僕は推測する。
この覗き魔の第一発見者である彼こそ、このプラモの製作者本人の幼少期だったのではなかろうか、と。
PROFILE
エンドケイプ
作詞家・クリエイター・バナナーティスト
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