昭和40年代前半のキジラ(日本ホビー)だ。
キジではない。
キジラだ。
ゴジラにモスラ、キングギドラにガメラにゴモラ。
ラをつけると怪獣になる日本の風潮は美しい。
その様式美に乗っかったキジラ。
実に奥深いニッチプラモで、きちんと物語がありその上でキジラがこうして勇ましく出撃している訳なのだが、要約すると『桃太郎と鬼との戦いから680年経つうちに光線を無力化する神通力を持ちネロ宇宙界から突然やって来た黒わしと戦うために次々とキジラ一族は飛び立った』という電波をビンビン発信しまくった内容なのだ。

-中身-
そんなキジラ、電波的物語に呼応するかのようにゼンマイで激しくぴょんぴょん跳ねまくる仕組みだ。
ゼンマイには既に脚がついている。
緑色の。
そしてぴょんぴょん跳ねる。
もはやカエルだ。
そう、この日本ホビーは以前にカエルを出している。
おそらく注文がそこまで入らず大量に脚付きゼンマイが在庫として残ったのだろう。
それをそのままキジラに流用して怪文書のような物語までくっついて発売された訳だ。
おまけにこのキジラの話にも出てくる黒わしブラックイーグルの他にウルトラバットというコウモリも発売されている。
とにかく一番とばっちりを受けているのは名前出された桃太郎である。

PROFILE
エンドケイプ
作詞家・クリエイター・バナナーティスト
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