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2016.05.11 Wed UPDATE CULTURE INTERVIEW

注目のカバーアルバムが発売!
原田知世スペシャルインタビュー

注目のカバーアルバムが発売!<br> 原田知世スペシャルインタビュー

少女時代の面影を辿る旅。
初の邦楽カバー盤発売!

1980年代より女優としてだけでなくミュージシャンとしても時代を超えて愛される楽曲を多数発表している、原田知世。ノラ・ジョーンズやザ・ビートルズなど洋楽をカバーして、昨年リリースされたアルバム『恋愛小説』の続編になる作品『恋愛小説2~若葉のころ』が完成した。今作では、荒井由実「やさしさに包まれたなら」や、松田聖子「SWEET MEMORIES」などの’70〜’80年代にヒットした邦楽をセレクション。

「今回は自然な流れで邦楽のカバーをしましょうということになりました。ただ、テーマを絞らないと(聴き手に)伝わりづらいのでは? と思い、私がデビューする前あたりまでの間で好きだった楽曲の中から選んでみました。実はよく考えてみると、邦楽カバーアルバムって、これが初めてなんですよね」

プロデューサーの伊藤ゴローを筆頭に、ツアーなどですでに顔なじみのミュージシャンたちとのセッションで制作していったという本アルバム。アコースティックをベースにした柔らかなサウンド、そして彼女独特の透明感のある歌声が、オリジナルとは異なる心地よさや、洗練された時間を紡いでいる。

「サウンドに関しては、すでに何度も共演している方々ばかりだったので、最初にある程度の方向性を話し合って、あとは自由な感じでレコーディングを進めていきました。またヴォーカルに関しても、前作は英語の発音もあって、別の神経を使いながら歌う部分も多かったんですけど、今回は日本語ですし、そういったことはなかったですね。だから、自然と演じるように歌うことができました」

自然に自身の心に刻まれていた名曲の数々。歌っていくうちに、デビュー前に見た風景が、頭の中をよぎっていったという。

「昔住んでいた(出身地)長崎の家の風景、家族との時間、部屋から眺めた夕暮れなど、そういうものが蘇ってきましたね」

また、懐かしさと同時に、当時の日本の音楽の奥行きの深さに驚かされたとも語る。

「例えば、太田裕美さんの『木綿のハンカチーフ』は、今回カバーするにあたって改めて聴いてみたんですけど、男女のやりとりで楽曲は構成されていますよね。しかもデュエットではなくて、ひとりで歌っていらっしゃる。そういう発想は面白いなって思いました」

自身も松任谷由実が手がけたデビュー曲の「時をかける少女」を筆頭に、数多くのヒット曲を残しているが、それら楽曲に対する思いにも変化が?

「改めて、作家さんひとりひとりがひとつの楽曲に対してエネルギーを使っていらしたんだなって思いました。また、それをたくさんの人々が待ち望んで聴いてくださっていた。改めて素晴らしい環境の中で、私は歌をうたわせてもらっていたんだと。また、オリジナル曲を知らない方々にとっては、この作品をきっかけに、当時の音楽の魅力に触れるきっかけになればいいなと思います」

 

【プロフィール】
長崎県生まれ。1982年に女優・歌手デビュー。シンガーとしては、これまで松任谷由実、鈴木慶一からトーレ・ヨハンソンまで、さまざまな作家陣と共演し、名曲を多数発表している。haradatomoyo.com

 

【発売中】
『恋愛小説2~若葉のころ』
ユニバーサル/3600円(初回限定盤)/発売中
全10曲の邦楽カバーを収録しているアルバム。初回盤には、ミュージック・ビデオが収録されたDVDに加え、昨年自身が主演したドラマ内で披露し話題になった小沢健二「いちょう並木のセレナーデ」のカバーを特別収録している。

 

図2

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