――全米では『アバター』や『スターウォーズ エピソード3/シスの復讐』を超えて20世紀FOX映画史上最高のオープニングを達成。さらに世界120カ国でナンバーワンを記録するなど、快進撃を続けている『デッドプール』。特殊部隊の傭兵だったウェイド・ウィルソンが意思とは裏腹に不死身の肉体を身につけ、みずから作ったコスチュームを着てヒーローキャラ“デッドプール”として壮絶な戦いを繰り広げる物語だ。ライアン・レイノルズは、毒舌で無責任で正義感のかけらもないが、悲しき運命を背負い、強さと弱さが同居するデッドプールを豪快かつユーモアたっぷりに演じている。
「過去11年間、僕は『デッドプール』の映画化を目指して奔走し、懇願し続けてきた。なかなかこの作品を理解してくれる人が現れなかったけど、ある時『デッドプールをウルヴァリン作品に登場させてみて、どうなるか反応を見てみよう』と提案され、その話に乗ったんだ。前半はウェイドとして登場し、その部分は見事に仕上がったが、後半では口を縫われた怪しい男にキャラクターが変わり、僕も含めてスタッフ全員が後悔する内容になってしまった。だから『ぜひこの作品を単独でやらせてほしい』と嘆願して回っていたんだ。今となっては配給側もとても満足しているけどね。
デッドプールはとにかくユーモラスで、傲慢で、規格外のキャラクター。自分が映画の中に存在していると認識しているから、作品と観客の壁を打ち崩して、カメラと観客に向かって直接話しかけたりする。挙げ句の果てには、僕自身(ライアン・レイノルズ)のこともバカにもするんだ(笑)。まったく非伝統的な行為ばかりするキャラクターだよ。それから、通常のコミック作品に比べてセクシーな場面も多く、今まで観たことのない展開になっているんだ。
アクロバティックなアクションシーンも、見どころのひとつだね。それを実現するために、撮影が始まる7ヵ月前からトレーニングをたくさん積んだ。マスクをかぶっているので、スタントマンがたくさんスタントをしてくれるんじゃないかと期待していたけど(笑)、結局思ったとおりのアクションをしてくれなかったり、動きの違いが歴然としていたので、最終的に僕が大方のスタントをこなすことになったんだ。体力的にはきつかったけど、楽しかったよ。アクションは大好きだからね。
デッドプールは日本刀で戦うし、キャラクター作りにおいても、日本からたくさんの影響を受けているんだ。アクションも満載で、これまでのスーパーヒーローのジャンルに革命をもたらすような作品に仕上がっているから、ぜひ多くのみなさんに映画を楽しんでもらいたいね」
【PROFILE】
1976年10月23日生まれ。カナダ・バンクーバー出身。主演を務めたテレビドラマ『ふたりの男とひとりの女』で知名度を上げ、以後映画界へ活躍の場を移す。主な出演作は、『リミット』(’10年)、『グリーン・ランタン』(’11年)、『ゴースト・エージェント R.I.P.D.』(’13年)、『ハッピーボイス・キラー』(’14年)、『黄金のアデーレ 名画の帰還』(’15年)など。今後の公開待機作として、ケヴィン・コスナーと共演した『Criminal(’16年)』が控えている。
『デッドプール』
元特殊部隊の傭兵で恋人と結婚間近のウェイド。突然、末期癌を宣告され、ある組織の施設へ向かうが、悲惨な人体実験を施された結果、不死身の肉体と引き替えに醜い姿となってしまう。みずからマスクを作りデッドプールと名乗った彼は、復讐を開始する。
監督:ティム・ミラー、出演:ライアン・レイノルズ、モリーナ・バッカリン、エド・スクラインほか。全国公開中。