2018.01.05 Fri UPDATE REGULAR

【エンドケイプ】出汁をでじると読む人生 第八十五回【戌年に犬を組む人生】


2018年がやってきた。
驚く事にこの連載「出汁をでじると読む人生」も毎週更新で、まもなく3年を迎える。
こんなに毎回統一性のない僕の連載を続けさせてくれるメンズジョーカーさんの懐は太平洋よりも広いと思う。
編集部にも、ここを読んでくれている皆さんにも感謝しかない。多謝。

さてさて、
今年は戌年だ。
犬といえば僕のニッチプラモコレクションにも良い犬が一匹いる。
それがこのボクサー犬「忠実なる犬」である。
1960年代、マルサンの骨格模型シリーズのひとつで、この連載でも以前「牛」と「鳩」を紹介した。
第三十二回【邦題でキメる人生】

箱のサイズは40cm×36cmと大きく、週刊少年誌の3倍近い大きさだ。
左上に描かれた世界各国のワンちゃん切手など、無駄にボックスアートに情報を盛り込んでくる姿勢も高得点だ。

 


まるで医療専門誌を見ているかのような組み立て説明書。
どうだこのガチ感。この説明書の雰囲気がまたいい。活字やレイアウトの昭和感からホルマリンの匂いが漂ってきそうではないか。
顔面骨格・頭蓋骨上部・口蓋・顎骨・首椎骨・胸骨・肋骨・腰骨・尾骨・骨盤・肩甲骨etc
骨と骨を組み合わせ、臓器を詰め込み犬型透明パーツで挟み込めば出来上がりだ。
組み立てながら学べる。
当時のプラモデルは単にホビーという概念の他、学ぶという要素も多分にあった。それが近年より昭和の時代に※ニッチプラモが多かった理由のひとつでもある。
このシリーズも「学校教材用」「一般家庭用」「獣医用」「医学研究用」と記されている。

2018年の戌年に、こうして50年前の犬の骨格模型を眺めながら日本酒なんか飲んで過ごす正月は格別だ。

 

 

※ニッチプラモ
カテゴリー分けすら難しいニッチ(隙間市場)な需要を持つプラモデル。絶版・現行品問わず。

 

 

PROFILE
エンドケイプ
《りゅうちぇる》×《カネボウ化粧品suisai》コラボソング『TRUE TRUE』やジョジョの奇妙な冒険ダイヤモンドは砕けない3期オープニング『Great Days』等の作詞家でクリエイター
TV出演「笑っていいとも」「めざましテレビ」「モーニングバード!」「スッキリ!!」「Nスタ」「月曜から夜ふかし」他多数
Twitter https://twitter.com/endcape
Blog  http://lineblog.me/endcape/

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