洒落た大人たちが住まう城には彼らの感性がそのまま息づいている。
そんなセンスが垣間見れるパーソナルな空間を公開。
部屋の内装やインテリアはもちろん、部屋から近所までのワンマイルウエアなど、こだわりの私的スタイルを紐解く。
シンプルな空間模様の他にも、近藤さんがお気に入りなのは日当たりの良さ。開放的で気持ちいい部屋だそう。
アートディレクターやグラフィックデザイナーとして、さまざまな媒体や広告などの製作を手掛ける近藤さん。彼がインテリアを選ぶ基準は、洋服の好みと同じくシンプルなもの。だがそんな空間にほんの少しニュアンスを注入するのが近藤流だ。シンプルをほど良くデザインする彼のオリジナリティを紐解く。「洋服も含めて、基本的にはシンプルなアイテムが好きなので、部屋も同じようなテイストが反映されています。ですが、ただシンプルというだけでは、味わいがないので、ラフさを随所に注入して、インテリアや空間にニュアンスを与えるようにしています」。真っさらなものをそのまま置いても案外フラットに見え過ぎて、その魅力は半減しがち。そのためニュアンスを付けるのだという。近藤さんが実践しているのは、本棚の本をあえて整列させず、平積みに置く場所を作ったり、〈フェローズ〉のバンカーズボックスをあえて床に置いて重ねたりと、インテリアや空間に少しのラフさを与えることでシンプルな空間に絶妙な表情が生まれるのだそうだ。
「大切なのはモノとモノのバランスを取ること。全てが新し過ぎない、または全てがキレイ過ぎないように、些細な味付けを意識することで、その空間は一気に色づくはずです。コツさえ掴めば簡単なのでぜひ試してみてください」
FURNITURE
乾いた雰囲気と大き過ぎず小さ過ぎないサイズの植物を探し求めて見つけたアロエ。
ボックスをスタッキングした棚。鍵や財布などの普段持ち歩くものや、額装したルーヴルの眼のポストイットを飾り中。
イギリス人デザイナー、 ロビンデイが1972年にデザインしたポロチェア。堅牢かつ軽量でスタッキングも可能。
MY WORK
製作に携わったジャーナルスタンダード レリュームのカタログ。上から16AW、16SS、15AWシーズン。
MY INTEREST
昔から好きだという岡本太朗作、太陽の塔のオブジェ。あまり部屋にモノを置かない近藤さんの数少ない飾り物。
ONE MILE WEAR
部屋着はベーシックが好みだという近藤さんは、〈N.ハリウッド〉のカットソーと〈アンユーズド〉のパーカをチョイス。シンプルゆえに自分に合った厚みや形にこだわっているのだそう。
近藤さんの服選びはインテリアと同じく、シンプルかつ適度にニュアンスがあるもの。ゆったりとしたシルエットの〈クレプスキュール〉のニットは、装飾がなくても存在感を示すマイフェイバリット。
アートディレクター /
グラフィックデザイナー
近藤茂樹 さん(34歳)
東京都目黒区
ブランディングを中心に、広告、ウェブなど幅広い製作を手掛ける。〈ジャーナルスタンダード レリューム〉、〈1LDK〉などアパレル系の仕事も多数。www.shigekikondo.com
Photo:HIROAKI KAWATA
Text:TAKUYA KUROSAWA
第1回の記事を見る>>>
第2回の記事を見る>>>
第3回の記事を見る>>>
第4回の記事を見る>>>