BIZスタイルの良し悪しは、足元で大きく左右されると言っても過言ではない。それほど革靴選びは重要度が高いのだ。そこでここでは、あらためて知っておくべき革靴に関する5つの基本にフォーカス。今さら周りに聞けないアレやコレを総まとめで、詳しく解説していこう。
正統派ビジネススーツと言えるダークネイビーのソリッドスーツ。そこにマッチするのは、かっちりした印象を与えるブラック系の革靴だ。ネイビースーツの持つフォーマルさを一段と強めることができる。ブラウン系のシューズを合わせるとトレンド感は強まるが、精悍さでは一歩劣る。
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ジャケット3万2000円、シャツ9800円、タイ9000円、パンツ1万6000円/すべてアバハウス(同・ラストワード原宿店)、チーフ4000円/フェアファクス(同・コレクティブ)
最高の好相性を見せてくれるのは、フォーマル度がもっとも高い黒のストレートチップだ。誠実なイメージのスーツスタイルへと導いてくれる。
流行色であるミドルグレーに、シャープな柄であるピンストライプ。そのふたつの要素を組み合わせたスーツは、BIZスタイルにほどよくモダンなムードを描き出してくれる。そんな今っぽさ漂うスーツに合わせるのなら、上品でありつつもほんの少しヌケ感があるタイプの革靴が良いだろう。
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ジャケット2万6000円、パンツ1万8500円/ともにメンズビギ(同)、シャツ1万3000円/マッキントッシュ フィロソフィー(SANYO SHOKAI カスタマーサポート)、タイ2800円/スーツセレクト(同・恵比寿)、チーフ4000円/フェアファクス(同・コレクティブ)
この場合ベストマッチなのは黒のプレーントゥシューズ。品行方正な雰囲気ながらもカタすぎず、モダンなスーツスタイルにぴったりとハマる。
ドレスコードに厳格でない職種では仕事着として定着しつつある、紺ジャケ&ベージュチノのジャケパンスタイル。セットアップと比べてリラックス感のある装いなので、少しカジュアルに寄った革靴の方が似合いやすい。写真のようにタイがブラウンの場合は、足元も同色を選ぶのが定石だ。
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ジャケット2万6000円、シャツ6800円/ともにアントニオ・ラヴェルダ ホワイトレーベル、チノパン1万1000円/ブレザーズバンクドットコム(すべてザ・スーツカンパニー 新宿本店)、タイ1万4000円、チーフ8300円/ともにドレイクス(ブリティッシュメイド 青山本店)
スーツスタイルにはちょっと合わせづらいローファー。しかし、くだけた印象のあるジャケパンコーデとであれば、違和感なくなじんでくれる。
黒ストレートチップ1万8000円/スーツセレクト(同・恵比寿)、茶ストレートチップ2万7000円/ロンドンシューメイク(アンデックス)、黒プレーントゥ1万3000円/メンズビギ(同)、黒ウイングチップ3万4000円/ジャラン スリウァヤ(GMT)、茶ウイングチップ15万5000円/アレンエドモンズ(トレーディングポスト青山本店)、ローファー2万7000円/アルフレッド・バニスター イン(アルフレッド・バニスター 代官山店)
礼装が基本となる結婚式には、足元の革靴にも品格が求められる。相応しいとされるのが、格式高い革靴の代表格たる内羽根式の黒ストレートチップだ。極端に光沢が強いモデルでなければ、冠婚葬祭全般に使えるので持っておきたい。ローファーのようなカジュアル度数の高いシューズは、結婚式のようなシーンでは×。
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スリーピーススーツ3万8000円、タイ4800円/ともにチェルモニア、シャツ5800円/N.G.A.C.チェルモニア(すべてザ・スーツカンパニー 新宿本店)、チーフ4000円/フェアファクス(同・コレクティブ)
足元に品格を演出するためには、裾のクッション具合も大事。軽くクッションするぐらいが、靴の美しく見えるバランスだ。クッションが入りすぎてシワが多いと、だらしない印象を与える。
何十通りもある靴ひもの結び方だが、必ず覚えておきたいのが「シングル」。簡単に結べるうえに、すっきりと上品に見えるのがその理由。順を追って結び方を紹介していこう。
1.最前列に配された2つのヒモ穴に、外側からシューレースを通す。
2.最前列左側のホールに通したヒモを5列目右側のホールに内側から通そう。最前列右側に通したヒモは2列目左側のホールに内側から通す。
3.2列目左側に通したヒモを、2列目右側のホールに外側から通し、続いて3列目左側のホールに内側から通す。この作業を最後のヒモ穴に到達するまで繰り返そう。
4.穴にシューレースを通し終えたら、左右のヒモの長さを整えて完成。なお、「シングル」は少し緩みやすいので、こまめに調整した方がベター。
トレーディングポスト青山本店 店長
村井久哲さん
米国&欧州のブランドやオリジナルを扱う人気靴店で店長を務める一方、買付けにも携わる。ビジネスシューズに関する知識は随一だ。