2018.11.10 Sat UPDATE REGULAR

【木梨憲武】第39回 巻き物編~その1

自由奔放でありながら、こなれたおしゃれ感で存在感を放ちまくる唯一無二なファッションと、ゆる~いけれど、独自の哲学に裏打ちされた大人な生き方が男子の憧れ。そんなノリさんのワードローブから“ド定番”のアイテムをひも解くメンズジョーカーの人気連載を「完全版」としてお届け! また、『メンズジョーカー プレミアム』では、各回のテーマにまつわる「番外編」も!今回は『巻き物編~その1~』をお送りする。

 

第39回 巻き物編~その1

昼は暑いし夜は寒いこの季節
手放せない「俺の新定番!」

――今回紹介していただく「ド定番」は、テレビなどどもよく見かけるノリさん愛用のコ
チラです。

そう、11月というのに(本誌掲載時)、まだまだ暑い日もあるし。かと言って日が落ちると、さすがに肌寒い。そんな中途半端な今の季節に手放せないのが、この“巻き物”(スカーフ)。昼間はTシャツにプラスすると色目的にも寂しくないし、夜は首元にコイツがいるだけで暖かいしで、ここ何年かは、いつもカバンに入れてる。10年くらい前からかな? 東京は秋がなくなっちゃっていきなり冬になるもんだから、着るものに困る、困る。また夏場は夏場で、どこ行ってもクーラーがガンガンじゃない?

 

――それだけのために上着を持ち歩くのは面倒ですもんね。

ハワイでもあるのよ、強烈に寒~い中華屋さんが。そういう時、この巻き物があればなんか安心、みたいな。巻いてよし、羽織ってよし。何だかんだで3シーズン使える、海外でも1枚あると便利な「俺の新定番!」。ただ、シンプルなだけに選び方が難しいんだけど。

 

――基本、洋服と合わせるんですか?

それもあるし…でもまずは、肌触りかな。この連載を読んでくれてる人はもうおわかりだと思いますが、Tシャツやパンツなんかと同じで「生地VS肌」になってくるから(笑)、この肌触りが一番、大事。そしてデザインと色。プラス、大きすぎると謎のイタリア人みたいでイヤらく見えるし、小さいとタオルみたいになるしで(笑)、大きさも考えつつ。俺の場合、帽子も被るんで、そのへんとのバランスも考えて。この色目がピタッと合うと、「さあ今日はいい1日だ!」って気分よく過ごせるんだよね。

 

――初心者が巻き物を買う際のアドバイスはありますか?

10何年いろんなのを試して行き着いたのが…「いいモノはいい!」ってこと(笑)。Tシャツとかパンツって値段=着心地じゃないけど、巻き物だけは別! これは間違いない。(武)豊からもらった〈ヴァレンティノ〉のヤツなんか、めちゃくちゃ肌触りがいいから。ほら、触ってみて?

 

――おおーっ! すべっすべですね。さすがはハイブランド。

こっちの〈ルイ・ヴィトン〉(写真)とか〈プラダ〉も最高よ? この2枚は最近の巻き物エースで、やっぱ生地が違う。おまけに色もデザインも凝ってるときた。

 

――けど、そのぶんお値段は高いんですよね…?

そーなの。でも、冬場は冬場でジーパンの下に〈パタゴニア〉のももひきを履くくらいの超~寒がりだし。とはいえ毛糸のマフラーは圧迫感があるし。あの毛糸のチクチクも苦手だから、少々値段が張るのも仕方ないかなーって。

 

――中でもオススメの1枚は?

この〈ヴィトン〉のヤツなんかは、いろんな柄が混じってるから巻き方で色目が変わるし、かなり使える1枚。色は、こういう紺系(写真)が何だかんだで万能だよね。ジーパンにも合うし、モノがいだけにTシャツ1枚に巻いても様になる。高いちゃ高いけど、長い目で見ればお得だと思うな~。

 

【プロフィール】
1962年3月9日生まれ。東京都出身。帝京高校の同級生・石橋貴明ととんねるずを結成。若者のカリスマ的な存在となり、今も絶大な影響を与え続ける。現在主演の映画『いぬやしき』が公開中! また6月に「木梨憲武展 Timing‐瞬間の光‐」をロンドンで。7月より全国巡回展を開催! 詳細は kinashiten.com

 

【定番品解説】

スカーフ

ノリさんの愛用品は主に綿とカシミア。カシミア・ショールの歴史は18世紀と古いが、中でも本文にも登場する生まれたばかりのヤギの産毛で作られた“シャートゥース”はその軽さとしなやかさで絶品とされる。

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