2018.11.25 Sun UPDATE REGULAR

【木梨憲武】第40回 巻き物編~その2

自由奔放でありながら、こなれたおしゃれ感で存在感を放ちまくる唯一無二なファッションと、ゆる~いけれど、独自の哲学に裏打ちされた大人な生き方が男子の憧れ。そんなノリさんのワードローブから“ド定番”のアイテムをひも解くメンズジョーカーの人気連載を「完全版」としてお届け! また、『メンズジョーカー プレミアム』では、各回のテーマにまつわる「番外編」も!今回は『巻き物編~その2~』をお送りする。

【木梨憲武】第39回 巻き物編~その1

 

第40回 巻き物編~その2

巻き物ファン垂涎の生地、
“シャートゥース”とは?

――ノリさんの、ここ何年かの「新定番」となった“巻き物”。どれくらい持っているんですか?

うーん、言ってもそんなには持ってない。なにせ1枚が高いから(笑)。エースが3、4枚で…まだ使ってないいただきものを入れても10枚ちょっと。

――前回は、巻き物初心者にオススメの1枚をお聞きしましたが、普段使いする上での注意事項などありますか?

まずは、巻いたまま物を食べない(笑)。巻いてるの忘れたまま「乾杯~」。で、「あーっ! ビールの泡付いた!!」って、これよくやるんだ。あと焼肉屋さんとかに行くと生地に匂いを含むから、カバンの下の方に入れとく。それと他人に…特に、オジサンには貸さないこと。オジサンが言うのも何だけど、加齢臭は手強いからね(笑)。

――取扱いは難しくないんですか? 綿はともかくカシミアとか、初心者にはハードルが高そうですが。

洗う時に、ふわっふわ感がなくならないよう気を付けてはいるけど、それくらいなもんで。普段は、なんにもしなくて平気。いい生地を使ってるだけあって、くしゃくしゃっとしてカバンに入れといても全然シワにならないもんね。

――ノリさんみたいな着こなしをしたい読者のために、巻き方のコツがあれば教えてください。

キレイに畳んで巻かないことくらいかな。キチンとし過ぎると途端、オジサン感が出ちゃう。あとはクルクルって2回くらい巻いて、はみ出たところをキュッと(巻いた部分に)入れるだけ。

――ノリさんから見てカッコいい巻き物の達人とかいます?

アントニオ猪木さん…はマフラーだけど(笑)、堺(正章)さんとか三浦カズ(知良)とか。ああいう“この人といえばコレ!”って、巻き物がトレードマークになってる人にはちょっと憧れるかな。巻き物に限らず、自分を持ってる大人はやっぱカッコいい。まー、あのへんクラスになると、巻き物に合わせてオーダーメイドで帽子を作ったり。そうなると靴も作ったり。なんなら車まで合わせたりして。俺なんかTシャツとスニーカーに巻き物だから、まだまだ修行が足りないよね。

――では、数ある巻き物の中、究極の1枚を選ぶとすれば?

これはね、断然“シャートゥース”!

――しゃ、シャートゥース…!?

聞いたことない? 何でも生まれたてのヤギしか取れない貴重な毛で作らてるそうで、これがふわっふわの、さらに上をいくふわっふわなの。しかも、ものすごーく高い場所に住んでるもんだから毛を取りに行くのが大変で。それもあって値段の方も高いらしい。「らしい」って、アラブの王様とかセレブの人が使ってるくらいだから実際、ものすごく、高いんだけど!(笑)。もう言葉では言い表せないくらいの肌触りなんだコレが。

――(検索して)「パシュミナと呼ばれるヤギの、一番柔らかい綿毛(わたげ)を紡いだ糸のものは絹状の光沢があり、もっとも珍重される。さらに生まれたばかりのヤギの産毛で作られたカシミア、シャートゥースはその軽さとしなやかさで絶品とされる」とか。

ほーら。「絶品」だって。巻き物ファンは一度、試してほしいな~、あの肌触りを。

 

【プロフィール】
1962年3月9日生まれ。東京都出身。帝京高校の同級生・石橋貴明ととんねるずを結成。若者のカリスマ的な存在となり、今も絶大な影響を与え続ける。現在主演の映画『いぬやしき』が公開中! また6月に「木梨憲武展 Timing‐瞬間の光‐」をロンドンで。7月より全国巡回展を開催!
詳細は kinashiten.com

【定番品解説】
スカーフ

ノリさんの愛用品は主に綿とカシミア。カシミア・ショールの歴史は18世紀と古いが、中でも本文にも登場する生まれたばかりのヤギの産毛で作られた“シャートゥース”はその軽さとしなやかさで絶品とされる。

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