木梨憲武’s 俺のド定番!

2016.09.20 Tue UPDATE REGULAR

【木梨憲武】第15回 ジーパン編~その1

第15回 ジーパン編~その1

自由奔放でありながら、こなれたおしゃれ感で存在感を放ちまくる唯一無二なファッションと、ゆる~いけれど、独自の哲学に裏打ちされた大人な生き方が男子の憧れ。
そんなノリさんのワードローブから“ド定番”のアイテムをひも解くメンズジョーカーの人気連載を「完全版」としてお届け! また、『メンズジョーカー プレミアム』では、各回のテーマにまつわる「番外編」も!

 

ストンと脱げる太いヤツ!
ジーパンの定番はコレだね

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【ジーパン編~その1】

――ついに、この回が来ました。Tシャツと並ぶノリさんのアイコンのひとつ、ジーンズ! ノリさんの着こなしに憧れる多くの読者が「あれはどこのメーカーだろう?」と興味津々だと思うのですが、どちらのモノなんですか?

ここ何年かは、スタイリストの大久保篤志さんから教えてもらった〈AWA〉ってメーカーが「俺のド定番」になってて。ジーパンは、わりと昔っからこういう(写真のような)タフな感じのストレート一辺倒。細身のヤツとかは、まず履かない。

――いつもツーサイズくらい上の、極太サイズのイメージがありますが?(ノリさんは身長177㎝、体重60㎏)。

そう、ジャストはW32なんだけど、太いのが好きで。えーっとサイズは(背面の皮パッチをのぞき込んで)…W36のL31ってのを、よく履いてる。ベルトをはめて、腰骨にやっと引っ掛かってるくらいがラクちんでちょうどいいの。家に帰ってベルトを外すと、ストンとそのまま脱げちゃう。細いヤツは脱ぐ時、足首とかに引っかかるからイヤなんだ。

――ちなみに、このベルトは…。

〈HTC(※1)×木梨サイクル〉の限定コラボ(残念ながら絶版!)。後ろの方、よく見て。普通はスタッズでいろんな模様だとか打ってあるところ、これは「KINASHI CYCLE」って書いてあんの。で、空港の検査でピンポンが鳴っちゃうから、ベルトを外すんだけど、そうするとジーパンがズリ落ちちゃって。「(両手を広げて)Oho~!」って言うと、向こうの職員さんも「Wow~!」とかアメリカ流に大げさなリアクションを返してくれる…そんな毎度のやりとりが、ハワイに行く時の恒例になってます(笑)。

――(笑)、目に浮かびます。ちなみに最初の1本って覚えてます?

ジーパンの? えー、いつだろう。ずっとジャージィだったしな。基本は〈アディダス〉か〈プーマ〉。洒落っ気が出た高校2年くらいの時もサーファーに憧れて〈ファーラー〉(※2)のパンタロンだったし。それのデニム地が最初なのかな? これにレインボーカラーのポロシャツとか着て、当時の帝京サッカー部だから頭は坊主。最悪だよね(笑)。

――(笑)、今の定番に行き着くまでには、そうした思考錯誤があったと思うんですが、サイズ感、シルエットなど悩める読者にアドバイスすることがあれば。

身長とか、Tシャツとかシャツ、あとクツっていう普段、身につけてるもの。大事なのは、そのへんのバランス。そういうのを全部、大久保さんと相談して、今の感じになったんだけど…まあ、言うことがあるとすれば、そういう「俺のド定番」を早く見つけようってことかな。俺もね、時代が細身、細身となってく中、対応してみた自分もいたものの、結局は太めのストレートに戻ったり、紆余曲折あったもの。だから、この“結局は戻っちゃう”っていうのが定番=自分にいちばん似合うヤツなんじゃない?

 

※1 創業者ZIP STEVENSONが、2000年にブランドをスタート。ハンドクラフトから生まれる貴重なベルトは、多くのファンを魅了し、全米各地を回り、バイイングを繰り返し蓄積したアーカイブと当時と変わらない工具で作るスタッズベルトは唯一無二の味わいを醸し出す。

※2 1920年にアメリカ・テキサスにて創業。洗濯してもクリースが落ちないパーマネントプレスのパンツを初めてて世に出したことでも知られる。日本でも’70~’80年代にサーファーの間で大流行した。

 

 

【定番品解説】
AWA 151 RIGID

’08年にスタート。岡山の工場で旧式力織機を使い作られた生地を使用し、ジッパーやリベットなど細部までこだわる、国内有数のアメカジブランド。ノリさんの俺の定番は、いわゆる“大戦モデル”をモチーフにした1本。2万1300円也。

 

 

PROFILE
1962年3月9生まれ。東京都出身。帝京高校の同級生・石橋貴明ととんねるずを結成。若者のカリスマ的な存在となり、今も絶大な影響を与え続ける。また1994年から絵画展をスタート。一昨年より20周年を記念した「木梨憲武展×20years INSPIRATION‐瞬間の好奇心」を開催し、全国で好評を博した。9月には、妻で女優の安田成美さんが“子供の頃の見た”という妖精から着想を得て、初絵本『TEHON』を3冊同時発売。9月1日からは東京・代官山町周辺で、絵本の世界観を体感できるワークショップ『木梨憲武フェアリーズ@代官山』を10月2日まで開催する。このワークショップは11月に名古屋、12月に大阪でも開催予定。

木梨サイクル https://kinashi-cycle.com/index.html

 

 Text:Tatsunori Hashimoto

 

 

 

 

図2

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