木梨憲武’s 俺のド定番!

2016.11.17 Thu UPDATE REGULAR

【木梨憲武】第18回 ホウキ編~その2

第18回 ホウキ編~その2

自由奔放でありながら、こなれたおしゃれ感で存在感を放ちまくる唯一無二なファッションと、ゆる~いけれど、独自の哲学に裏打ちされた大人な生き方が男子の憧れ。そんなノリさんのワードローブから“ド定番”のアイテムをひも解くメンズジョーカーの人気連載を「完全版」としてお届け! また、『メンズジョーカー プレミアム』では、各回のテーマにまつわる「番外編」も!

 

毎朝の掃除の楽しみは
わびさびとテクニックにあり?

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【ホウキ編~その2】

――前回は愛用の〈竹虎〉製の竹ボウキを紹介。気持ちよく1日を迎えるために5~6年前から朝の掃除を始めたとのことですが、何かきっかけはあったんですか?

ウチの庭の木が育ってきたこともあり、秋になると、その落ち葉が人んちにご迷惑をおかけしてる状態がず~っと気になってて。それが掃除を始める、きっかけっちゃきっかけになるのかな。で、やってみたら案外、楽しいし、気持ちいいしでハマっちゃったという。

――どのへんが楽しいんですか?

始めたてのころは“自分んちの両サイド(お隣)のどのへんまで掃けばいいか…?”とか考えたりしてたのね。で、やり過ぎるのも何だろうから、2枚くらい葉っぱを残したりして(笑)。たま~に、どこかの人がウチの前も掃いてくれるんだけど、俺自身も「あざ~す」と思いながら、1枚も残ってないとザンネンに思ったりするし。逆に二日酔いの朝とかヨロヨロで外に出て行った時にキレイになってると、「助かった~」とか思うしね。そういう、やり過ぎずやらな過ぎずの塩梅を探り。そこからご挨拶をして。ご近所さんとのちょっとした会話が始まって。

――ノリさんは商店街で生まれ育ったから、ご近所付き合いの大切さがわかるんでしょうね。

人間模様がいいのよ。ご近所との会話もあれば、走ってる人、犬の散歩をする人を眺め。何年もやってると、毎日会う人の調子が気になったり。「2、3日見かけないけど、風邪でも引いたかな」とか、向こうも気になってると思うし。都会では減ってきたと言われる、この関係。季節の景色を見ながら感じる、わびさびもいい。あと楽しいのは…何だろう? 掃く時のテクニックかな。

――テクニックですか!?

そう。ウチの前の葉っぱが気になるな~と思ったのとほぼ同時期に取材で行った明治神宮で、ホウキ使いの達人に出会ったのよ。参道を掃除してるおじさんの職人技とに感動しちゃって。まずね、ホウキが違う。持ち手の、柄の部分が長いの。それを使って“シャン、シャン、シャン”って感じのリズムで、砂利を均しつつ、葉っぱをよりわけてく。動画サイトに映像がアップされてると思うから見てみて。

――(映像を見て)すごいですね! なおかつ参道のセンターに葉っぱを集め、右と左で参拝に行く人と帰る人の道をわけてる。

どう?…って俺じゃないんけど(笑)、これをいっぺんにやってるのがすごいでしょ? あまりにすごいから「このホウキ、どこで買えるんですか?」っておじさんに聞いたら、売ってなくて。長年の経験から編み出して作ったオリジナルなんだって。明治神宮の取材だったのに、そっちに夢中になっちゃった(笑)。それ見て「わー、やってみてえ」ってなったのも掃除を始めたきっかけ。達人レベルはムリでも、我ながら「よく出来たな~」と思う朝はすごい達成感がある。キレイになった道を見渡して一人ニヤニヤしてるから(笑)。

――なんだか掃除したくなってきました。都会では掃く場所がないですけど(笑)。

単純に気持ちいいから、やれる人はやってみれば? 気持ちいい朝を迎えると飯も旨いし、その日の洋服もすぐ決まるし。仕事もはかどったりする。読者の年齢では、まだ“わびさび”までわかんないとは思うけど、部屋の掃除、レイアウト、洗い物もすべて同じだ!気もいいよ!ぜひ!

 

 

PROFILE
1962年3月9生まれ。東京都出身。帝京高校の同級生・石橋貴明ととんねるずを結成。若者のカリスマ的な存在となり、今も絶大な影響を与え続ける。また’94年から絵画展をスタート。この9月には木梨憲武初の絵本『コッカ』シリーズを3冊同時発売!

木梨サイクル https://kinashi-cycle.com/index.html

 

 

 

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