2017.06.09 Fri UPDATE INTERVIEW

カバーインタビュー 小栗 旬

漫画、アニメと人気を誇る空知英秋原作の『銀魂』が、まさかの実写映画化!
SF、時代劇、人情、アクション。そして時事ネタやパロディ&ギャグ…。すべての要素を盛り込んだ究極のエンタメは、いかなるものになったのか?
7月14日[金]の全国公開を前に、本誌メンズジョーカーでは映画『銀魂』への思いを語った小栗 旬が、このウェブマガジン『メンズジョーカー プレミアム』では、共演者の話、そして映画・ドラマ界へのメッセージを。

――小栗さん演じる、坂田銀時が営む万事屋の一員、志村新八役に菅田将暉さん。神楽役には橋本環奈さん。ほか岡田将生さん、長澤まさみさん、中村勘九郎さん、柳楽優弥さん、吉沢 亮さん。さらにはムロツヨシさん、安田顕さん、早見あかりさん、新井浩文さん、佐藤二朗さん、菜々緒さん。よもやの堂本 剛さんといった“超”が付くくらい豪華な面々が集結しました。

ねぇ、すごいですよね。(監督の)福田雄一、恐るべし(笑)。どう見ても新八でしかない菅田くんはホント、才能がある俳優だと思ったし。環奈ちゃんも「こんな一面があったの!?」ってくらい神楽だったし。何よりあの、神楽のしゃべりをやって全然、違和感がなかった。

――桂小太郎役の岡田将生さんはいかがでしたか?

岡田のヅラ(桂)もよかったですよね。真選組のみんなもおもしろかったなあ。勘ちゃん(中村勘九郎)なんて、現場でず~っと裸だったそうですよ。歌舞伎界のプリンスなのに、『銀魂』の大ファンだから「いや(演じる)近藤はこうでしょう!」と全裸で木刀振っていたって。それで柳楽が笑って全然、芝居ができなくなったとか。「だって、全裸の人の前で芝居できないでしょう!」って(笑)。

――いやぁ、銀魂愛ですね(笑)。ほかにも銀さんの幼なじみであり好敵手の高杉晋作を演じられた堂本 剛さんがカッコよかった。

剛くんのお姉ちゃんが、大の『銀魂』ファンらしいんですよ。で、「高杉をやるなら絶対に痩せろ」と言われたそうで(笑)。本人も「すげえ言われたから仕方なく痩せてきたよ」って。

――福田組の常連、ムロさん二朗さんは…?

そこは相変わらず。ふたりのショータイムに期待してください。

――小栗さんは『宇宙兄弟』(’12年)、『ルパン三世』(’14年)、『信長協奏曲』(’16年)、『ミュージアム』(’16年)など、いわゆる原作モノへの出演も多いですが、今回の銀さんを演じるにあたり、心がけたことは?

うーん…ないです(笑)。昔は、それこそ僕自身、漫画好きだから原作ファンの方に喜んでもらおう、満足してもらおうと思ってやってきましたけど、どうやっても喜ばない人は喜ばないし、満足しない人はしない。じゃあ、そういう人は「漫画読んでればいいじゃん!」って。もちろん、僕なりにはやっています。見た目にしろ、身体を作ることにしろ。そこは“そういうものだ”と思って観てもらえる人にわかってもらえたらいい。楽しんでもらえたらいいかなと。あと、個人的には天人(あまんと=宇宙人)と戦いたかった。

――本誌メンズジョーカーのインタビューでは「昔あった『東映まんがまつり』じゃないですけど、続編ができて“夏は銀魂!”みたいになってくれたら」と。

まあ…少々、下品な部分もあるんでね、親御さんはオススメしないかも知れませんが(笑)、むしろ何の偏見もない子供たちにこそ観てもらいたいんですよ。なんて言うのかな、映画館で周りの大人たちが笑っている理由がわからないけど、必死で着いてく、みたいな。「う○こ」だけで笑える彼らにピッタリの笑いもちゃんとあるし。

――笑いのテキストには最適かもしれないです。古くは『オレたちひょうきん族』とか、小栗さんの世代ならば『ダウンタウンのごっつええ感じ』とか。大人になって深い部分が理解でき、「なるほど」とひざを打ったりして。

そうそう、背伸びして観てね。だから今のチビッコにも、何年か後にもう一度、観てほしい。

――そういう意味では、クライマックスを迎える『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』もしかり。最初の1~3話くらいは「終わり方がモヤモヤする」など、賛否ありましたが、見続けることで点と点が繋がり、おもしろさが加速しています。何度でも見返せる。

みんな1話完結の勧善懲悪が好きですからね。ちゃんと見れば「なるほど、だからこの回をここに持ってきていたんだな」とか、よ~くわかるのに。あんな設計された台本、今まで見たことがないです。

――だからこそ、昔は普通にあった連続ドラマのおもしろさを再確認する、それを知らない人には、ドラマの正しい観方がわかるドラマだと思うんですよ。

ですよね。実際、ここからめちゃくちゃおもしろくなりますよ。(脚本の)金城一紀は本当にすごい! 台本読んでいて気づかなかったことが、ドラマを観て「あっ!」と思ったり。出ている自分が思うんですから。逆にある種、何にも考えてない(笑)、ただ他の監督にない、計算でなく勢いで押し通す福田さんもすごいですけど。両極端なふたりと、同時期に仕事できたことは刺激になりました。

――映画『銀魂』公開後は、同じく福田さんが演出する舞台『ヤングフランケンシュタイン』でミュージカルに初挑戦…と、お忙しい日々が続きますが、そちらの準備には取り掛かっているんですか?

ええ。歌の練習はしています。10曲ほど披露するので。まだ細部のツメはこれからですが、ちゃんとした…いや、おもしろい舞台になる予感はします。今年は『追憶』が公開され、もうすぐ公開される『君の膵臓をたべたい』という、『銀魂』とはまったく毛色の違う青春映画にも出させてもらい、で『CRISIS』。全ジャンルをやった一年。また、昨年撮ったものが公開される一年だったので、来年はちょっと働かなきゃです(笑)。いろいろ控えているんで楽しみに待っていてください!

Interview&Text:TATSUNORI HASHIMOTO

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