ソロとして約2年ぶりの始動を果たしたEXILE TAKAHIRO。新作となるミニアルバムの『All-The-Time Memories』は「色々な季節とともに一年を通して楽しんでほしい」という春夏秋冬を意識した作品となった。その制作の裏側や、2018年のEXILEの活動への思いをたっぷりと伺った本誌のインタビューの完全版を公開する。
――今回のミニアルバムはどのようなコンセプトで制作されたのでしょうか。
TAKAHIRO 「『いろいろな季節とともに1年を通して楽しんでもらいたい』という思いから制作しました。去年の秋頃から曲や詞を書いて準備を進めてきた中で、いいタイミングで亀田誠治さんとタッグを組ませていただくことが決まり、全曲をプロデュースしていただくことになりました。今回は曲作りやアレンジなども一緒に作業をさせていただいています。
――本作にはTAKAHIROさんらしいバラードのほか、ロックやロカビリーの要素を取り入れた楽曲も収録されていますね。彩り豊かな作品を生み出せたのは、やはり亀田さんの存在が大きかったのでしょうか。
TAKAHIRO そうですね。当初は「バラードだけを集めた作品にしよう」というアイデアもありましたが、亀田さんから「四季を意識したコンセプトなら違うタイプの曲が並んだほうがいいし、そのほうが相乗効果で互いを引き立て合うはず」と意見をいただきました。そのおかげで様々な要素を凝縮することができて、ミニアルバムとしてまとまりのある作品になったと思います。
――レコーディングは生音にこだわり、TAKAHIROさんが亀田さんに様々なアイデアやイメージを伝えながら制作を進めたそうですね。
TAKAHIRO 亀田さんは僕の意見も隔たりなく聞いてくれましたし、そのうえで僕の想像以上の曲に仕上げてくれました。一緒に作曲した曲では、フレーズやメロディが思いつくたびに音を録り、2人で自由にアイデアを出しながら制作できました。瞬発的なアイデアも取り入れつつ、2人で同じ方向を向いて曲を作るのが楽しかったですし、ご一緒するのが亀田さんなので、大船に乗った気持ちで取り組めました。
――なかでもロカビリー調の『BLACK BEANZ』は、今までのTAKAHIROさんにはない新しいタイプの曲だと感じました。
TAKAHIRO 自分が今年の6月に初めて挑戦した『MOJO』という舞台が1950年代後半のイギリスを描いた作品で、そこでロカビリーを口ずさむ場面があったんです。それで亀田さんに『今の時代にロカビリーの曲ってどうですか?』と相談したら、『全然面白いと思う』と言ってくださり、この曲が生まれました。題名は僕が好きなバイクから来ていますし、歌詞にもバイクのブランドを入れたり、バイクの描写を女の子と重ね合わせたりと、遊び心を持ちながら作詞した曲ですね。
――歌いぶりからも、TAKAHIROさんがこの曲を楽しんでいることが伝わってきました。
TAKAHIRO 楽しみながらも、あえてきれいに歌いすぎず、今の時代に聞いても古く感じないような歌い方を意識しました。またこの曲には、Dream Amiが参加してくれています。彼女の可愛い声がセリフとして入っているので、ぜひ注目してみてください。
――GLAYのTAKUROさんが作詞・作曲を手がけた『Irish Blue』も強い存在感を放っている1曲ですね。
TAKAHIRO HISASHIさんと一緒にやらせてもらっているバンド・ACE OF SPADESでは、TAKUROさんに作ってもらった曲もありますし、僕はもともとGLAYさんの大ファンです。TAKUROさんの作る『グロリアス』や『BELOVED』のような、GLAYさんのキャッチーなメロディが大好きなんです。そんな曲を自分の声で歌いたくて、今回お願いさせていただいたんですが、TAKUROさんも「かわいい弟のために頑張るよ」と快く引き受けてくださいました。
――実際、とてもGLAYらしさに溢れた楽曲ですよね。
TAKAHIRO 爽快感のあるキャッチーな楽曲で、僕としても「水を得た魚」というか、自分が歌いたかったものが歌えていることが本当に楽しかったです。一方で平和への思いも感じる歌詞はすごく社会的で、まだ僕が描けない世界をTAKUROさんが表現してくださりました。その表現を、本を読むように感じ取り、理解し、歌という表現に落とし込んでいく過程では、自分自身と向き合いながら、表現者として成長ができました。またミュージックビデオも、普段のものとは雰囲気の違うアートを意識した内容で、幻想的な雰囲気を楽しんでいただけると思います。
――一方で、ご自身で作詞・作曲した『memories』は、2人が積み重ねた愛の記憶を歌うラブソングですね。
TAKAHIRO 本当にストレートなラブソングを歌いたい…と思って作った曲で、コード進行も自分が好きなもの。メロディもシンプルに仕上げました。この曲では何も難しいことは考えず、『上手い歌詞を書こう』とも考えずに作詞したので、素直に自分の中から出てくる言葉を紡ぐことができたと思います。この曲のミュージックビデオは、物語は切ない雰囲気ですが、幻想的な絶景も見どころの1つになっています。
――『春へ』もご自身の作詞・作曲ですが、こちらは恋の終わりを謳いながら、2人の作ってきた思い出に感謝する温かさが感じられました。
TAKAHIRO 恋愛のなかでも「恋」ではない「愛」のほうを描こうとした曲ですね。ラブソングの「ラブ」にもいろいろな形があると思いますし、この曲では天に思いを馳せるような世界観と、卒業シーズンにふさわしい出会いの期待感や喜び、別れの寂しさや切なさを意識しました。春という季節は、終わりでもあり始まりでもあると思いますし、その時期の心情を描こうとした曲です。
――また映像特典では、シングルの『Eternal Love』のミュージックビデオが、全編セリフ入りの30分のショートフィルムとなって収録されていますね。泥だらけになりながら全力疾走するシーンが印象的でした。
TAKAHIRO この特典映像は堤幸彦監督とご一緒した作品で、歌う場面は一切ありませんし、僕も役に入りきって出演しています。純朴で不器用な男のひとつの恋が描かれた、堤ワールドが満載の作品になっています。
――現在はファンクラブイベントで全国を回っている最中だそうですね。
TAKAHIRO 来年の2月頃まで、EXILEのライブでは足を運べなかった場所にも、恩返しの思いを込めてみなさんに会いに行っています。ファンの方々の熱を間近で感じ、そのなかでライブもすることで、恩返しどころか僕がパワーをもらっていますね。この経験を生かして、いつかはソロツアーも実現したいですし、来年のEXILE復活につなげていきたいです。
――来年のEXILEの本格始動は、多くのファンが待ちわびています。
TAKAHIRO EXILEは僕らの活動の芯になるものですし、各々が個別の活動で大きく成長していることも感じています。自分たちも楽しみながら、またEXILEとして活動する僕たちの姿をみなさんにお見せできたらと思います。
EXILE TAKAHIRO
1984年12月8日生まれ、長崎県出身。2006年にEXILEの新ボーカルオーディションで優勝し、EXILEに加入。作詞も手がけるほか、2012年からは自身がボーカルを務めるロックバンド・ACE OF SPADES、2013年からはソロとしても活動を行う。2014年には俳優デビューも果たし、公開中の『HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION』にも出演。
rhythm zone
3800円(CD+Blu-ray)、3000円(CD+DVD)、2000円(CD)※すべて税別
12月6日発売
音楽プロデューサーに亀田誠治氏を迎え制作。映像には新作のミュージックビデオに加え、最新シングル「Eternal Love」収録の堤幸彦監督によるミュージックビデオが、全編セリフ入りのショートフィルムとなって収録。2016年10月3日に京セラトーム大阪て行われた HiGH&LOW THE LIVE ツアーファイナルでのACE OF SPADES×PKCZ® feat.登坂広臣「TIME FLIES」、THE NINE WORLDS presents『九楽舞 博多座』ライブ映像を特別収録する。映像付商品の初回盤は100Pドキュメント・フォトブック付き。