第20回 デニム2Bジャケット編~その2
自由奔放でありながら、こなれたおしゃれ感で存在感を放ちまくる唯一無二なファッションと、ゆる~いけれど、独自の哲学に裏打ちされた大人な生き方が男子の憧れ。そんなノリさんのワードローブから“ド定番”のアイテムをひも解くメンズジョーカーの人気連載を「完全版」としてお届け! また、『メンズジョーカー プレミアム』では、各回のテーマにまつわる「番外編」も!
ドキッ! 丸ごとジャケット
男だらけの紺ブレ大会
【デニム2Bジャケット編~その2】
――Tシャツ、Gパンと並ぶノリさんの3大定番であるジャケット。いつごろから着ているんですか?
どうだろう? 大久保(篤志)さんにスタイリングをやってもらうようになってからだから、かれこれ20年くらいになるのかな。中学に高校と、どっちもブレザーの制服だったからもともとジャケット的なものには愛着があるのかも知れないけど。
――確かに、ブレザーか学ランで大人になってからの馴染み方が違うような気がします。
やっぱ“慣れ”ってあるよね。普段着慣れない人が急に結婚式なんかで着ると七五三みたいになっちゃったりして。
――ちなみにその中高時代、制服は校則通りのモノを?
ブレザーは短ランとか長ランとか学ランみたいにバリエーションがないから、ズボンだけ太いのをはいてた。それを駄菓子屋にあずけるの。教科書も全部、そこに置いて。朝そこでその日の授業ぶんを積め、帰りにまた置いてく。
――そういうの懐かしいですね~。
サッカー部も(石橋)貴明の野球部なんかもそうだったんだけど、毎日泥だらけになるからさ、学校では汚ねえ、もう折り目なんかなくなったような生活用のズボンをはいて。駅と家の往復には、駄菓子屋にあずけてたファッション用のをはく、みたいな。ほら電車には女子もいるし。
――ほかジャケットにまつわる思い出とかありますか?
何年か前に〈トミーヒルフィガー〉のパーティーをプロデュースして。参加者には、いわゆる紺ブレを1着ずつプレゼントしつつ、そこに俺が白のペインティングを施すっていう企画をやったのね。それが何だろう? 大人になったのにみんなで制服を着てるみたいで楽しかったな~。それ以外はデニムやスラックス、短パンと自前だから、それぞれ着こなしにも個性が出るし。
――すごい面子が集まってそうですね。
でもね、大久保さん、馬場圭介さんらそうそうたる面々のスタイリスト軍団をはじめ、他にもファッション業界の社長や友人など全員がおっさん!(笑)。女子は一切、いないの。まあ、そこが楽しかったんだけど。楽しすぎて全員でシャンパン、50本くらい空けたからね。
――(笑)、いいですね~、そういうおっさんだらけのパーティ。
これが不思議なもんで、そこに同年代の女子が来ると大して盛り上がらないんだな~。ただのクラス会になっちゃうから(笑)。「アンタあの時、あのコと付き合ってたでしょう~」とか、昔の恋話(こいばな)が多くなるし。
――男だけでつるむ大人のジャケットパーティは読者にもオススメですね。
そうね。忘年会のシーズンだし、年に1回くらいは男同士、何十人かで集まって。我を忘れて飲むとか、旅行に行くとかしたい。その時は、お揃いのジャケット…できれば紺ブレ着用でね。何だかワケわかんない一体感が出るから、ぜひやってみて!
PROFILE
1962年3月9生まれ。東京都出身。帝京高校の同級生・石橋貴明ととんねるずを結成。若者のカリスマ的な存在となり、今も絶大な影響を与え続ける。また’94年から絵画展をスタート。この9月には木梨憲武初の絵本『コッカ』シリーズを3冊同時発売!
木梨サイクル https://kinashi-cycle.com/index.html