第4回 バッグ編~その2
自由奔放でありながら、こなれたおしゃれ感で存在感を放ちまくる唯一無二なファッションと、ゆる~いけれど、独自の哲学に裏打ちされた大人な生き方が男子の憧れ。
そんなノリさんのワードローブから“ド定番”のアイテムをひも解くメンズジョーカーの人気連載を「完全版」としてお届け! また、『メンズジョーカー プレミアム』では、各回のテーマにまつわる「番外編」も!
ノリさんのこだわり“ビロビロ”問題!? を考える
【バッグ編~その②】
――「俺のド定番!完全版」の第3回目では〈木梨サイクル〉×〈ポーター〉コラボレーションボディバッグを紹介してもらいましたが、ほかにはどんなバッグを?
〈ブリーフィング〉×〈MHL.〉のコラボリュック(※1)とか、何だかんだで〈ブリーフィング〉か〈ポーター〉のヤツが多いかな。そのリュックは、すでにウチの息子の通学カバンになっちゃったけど(笑)、やっぱいいんだよね、専門店のカバンは。デザインよし、使い勝手よし。普段使いに仕事、旅行、ゴルフ…どんなシチュエーションでも対応できるくらい種類も豊富だし。ポケットとか、かゆいところに手が届く感じがいいんだ。
――日本人の男性は世界でもバッグ好きと言われています。欧米の男性は休日にカバンを持ち歩かないそうですし。
日本人は毎日、持ってるもんね? 俺なんかも休みの日でもカバンを持ってっちゃう方だし。仕事がある日も、コイツ(木梨サイクル×ポーターコラボボディバッグ)の中に、もう1個ちっちゃなカバンを入れて。衣装があるから、それごと〈ジャンティバンティ〉さんとコラボしたトートバッグ(※2)に入れて持ってくくらい(笑)。
――カバンには普段、何を入れているんですか?
(バッグを開けて)えーっと、サイフと携帯とタバコは基本で、手帳に薬入れ、お守り、歯ブラシ、メガネ。それと車の中とか出先で聴く用のCD。コレ全部、入れても余るくらい。このままハワイでも行けちゃう。男は1個のカバンをクタクタになるまで使うし、女子みたいに中身をしょっちゅう入れ替えないから、それができるんだろうけど。
――でも、だからこそ、バッグに対するノリさんのこだわりもハンパない。
そうそう。前にも言った“ビロビロ”(※バッグ編~その①を参照)とか(笑)。〈ブリーフィング〉の中川(有司)社長(※3)と飲んでる時も「このビロビロって出てるのがきになるんだよな~」。「その方がデザインとしてカッコいいんですよ」。「俺はいらないんだよ。ええい、切ってカスタムしちゃっていい?」。「わ~、やめてください!」なんて(笑)。洋服の裏っかわに付いてる取り扱い注意のラベルとかもすぐ切っちゃうし。なんかジャマなのよ。…まあ、そんなビロビロ問題はさて置き(笑)、大げさな話、カバンと(第1回目でも話した)クツさえしっかりしとけば様になるからね。自分がこだわるモノは細かいところまでこだわっていきたいなと。
――カバンとクツにこだわっていれば、Tシャツとジーンズでも平気ですもんね。
それと、Tシャツ1枚でも平気な肉体ね(笑)。女子はブランドうんぬんで選ぶ人が多いけど、男は機能性とか素材とか、そのモノにまつわる歴史とか、そういうところにこだわりがあると思うんだよな~。時計でも車でも。究極になると、家なんかもそうか。玄関入ってからの導線に、スイッチの配置。もろもろ細かいところにこだわる。どーでもいいところはホント、どーでもいいんだけど(笑)。
――ですよね。女性には理解しづらいかも知れませんが(笑)。
色んな種類を欲しいわけじゃないの。でも、「コレさえあればそれでいい!」って“俺のド定番”だったら、色違いで何個も持ってたい、みたいな。Tシャツとかシャツでも、同じようなヤツを何枚も持ってるし。女子にはなかなかわかってもらえないだろうな~、この“感じ”。
【脚注】
※1 米国軍用規格に基づいたパーツ、ミルスペックを用いたタフなバッグを作り続ける〈ブリーフィング〉の機能性はそのままに、最小限の収納機能にすることで軽量化した〈MHL.〉とのコラボ。
フランス、ノルマンディー出身のアートディレクター、Benoitが発信する日本製にこがわったブランド。ブランド名はフランス語で「紳士な泥棒」を意味する。
※2 フランス、ノルマンディー出身のアートディレクター、Benoitが発信する日本製にこがわったブランド。ブランド名はフランス語で「紳士な泥棒」を意味する。
※3 1998年以来、一貫して日本企画・米国生産を行うバッグブランドが、ご存じ〈ブリーフィング〉。社長の中川さんとノリさんは飲み友達だとか。
PROFILE
1962年3月9生まれ。東京都出身。帝京高校の同級生・石橋貴明ととんねるずを結成。若者のカリスマ的な存在となり、今も絶大な影響を与え続ける。また’94年から絵画展をスタート。昨年10~11月にはニューヨーク・トライベッカ地区のギャラリーで、自身の芸術活動の集大成ともいえる初の個展を開催。東京・祖師ヶ谷大蔵にある実家の自転車店の名前を冠した「木梨サイクル」では、オリジナル商品やコラボレート商品も展開。
オフィシャルサイトはwww.kinashi-cycle.com
Text:TATSUNORI HASHIMOTO