第13回 G‐SHOCK編~その1
自由奔放でありながら、こなれたおしゃれ感で存在感を放ちまくる唯一無二なファッションと、ゆる~いけれど、独自の哲学に裏打ちされた大人な生き方が男子の憧れ。
そんなノリさんのワードローブから“ド定番”のアイテムをひも解くメンズジョーカーの人気連載を「完全版」としてお届け! また、『メンズジョーカー プレミアム』では、各回のテーマにまつわる「番外編」も!
あのノリさんを秋葉原で並ばせた!?
腕時計の定番が〈G‐SHOCK〉
【G‐SHOCK編~その1】
――〈木梨サイクル〉とのコラボでもおなじみ〈G‐SHOCK〉ですが、出会いはいつですか?
かれこれ20年くらい前かな? それこそマンタだイルクジ(※1)だってころ。当時は相当、集めてたからね。
――’95年前後ですね。アメリカのストリートを中心に人気が爆発し、逆輸入される形で日本でもプレミアブームが起こりました。
そうそう。その限定のヤツをどーしてもゲットしたくて、秋葉原で並んじゃったくらいハマってた(笑)。
――ノリさん本人が、ですか!?
いやホント、朝から並んだ、並んだ! あと原宿の店でも並び…ハワイとか韓国に行った時も、珍しいモデルがあると聞けば、そこに飛んでって。まだネットがない時代だから、実際に足を運んで「あった! 色違い」とか。「一足違いで売れたか~」とか、そういうのが楽しかったんだよね。で、秋葉原ではイルクジを5セットほどゲットして、コレクター仲間に「そんなに買ってどうすんの?」って飽きれられたのを覚えてる(笑)。やっぱ集め始めると、仲間より先に手に入れることで優越感を味わいたいわけよ~。当時は〈G‐SHOCK〉が酒の肴になってたから、飲み会に限定のをハメてって「あれ、気づいちゃった?」的な。
――(笑)、わかります、わかります。
だけど、そうやって内緒で手に入れた時のシカト感たるや…。「1人だけ抜け駆け?」、「あーもう、ノリタケ信じらんねえわ」みたいな、あのイヤ~な感じ? 今でもたまに夢で見るもん(笑)。集める喜びと同時に、それだけはやっちゃイケないぞって、人間関係も教わりましたよ、うん。
――ちなみに、いくつくらい持ってたんですか?
最初は、普段ハメる用の5~6個から始まり。あっという間に100個になり。そんで箱すら開けてないヤツが200を超え。おまけに最初の『トイ・ストーリー』(’95年)が公開されたころからはフィギュアも集め始め…そこに『スター・ウォーズ』なんかも加わったから、部屋がパンパンになっちゃって(笑)。’00年になる前かな? 「ええい、もうやめた!」って全部、人にあげたの。言っても、それほど『スター・ウォーズ』のこと詳しくないし(笑)。
――(笑)、手あたり次第に集めてしまう。コレクターの悲しい性です…。『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(’99年)公開時にはボトルキャップを集めるため何十本とコーラを飲んだ人がたくさん。
あるよね~。仲間内のブームに乗っかっとかなきゃって。でも『スポーン』なんかにしても集めてたはいいが、今考えると、何で夢中になってたのか意味不明だし(笑)。そういうのは俺が体育会系ってのもあると思うんだよな~。ジャージィでもスパイクでも先輩の影響を受けまくってたから。目上の人が「ノリタケ、これヤバいから!」って言うと、条件反射的に「そうか、ヤバいんだ」と思ってしまうという(笑)。
※1 G‐SHOCKは1983年に誕生。『スピード』(’94年)でキアヌ・リーブスがDW‐5600C‐1Vを使用したことから人気に火がつき、同年には「国際イルカ・クジラ会議」を記念したイルカ・クジラモデル(通称:イルクジ)やラバーズコレクション(通称:ラバコレ)といったテーマモデルを発売。その後もセレクトショップとのコラボモデルなどを次々と発表し、店舗に行列が並ぶの大ブームとなった。
【定番品解説】
G‐SHOCK×KINASHI CYCLE2
10年の時を刻み、10気圧以上の防水機能を持ち、10mの落下衝撃に耐えうる、日本が世界に誇る腕時計。〈木梨サイクル〉の別注品は、定番のDW‐5600をベースに色を黒のツヤ消しに変更、文字盤とバックに木梨サイクルの刻印をほどこした。本品は残念ながら品切れ。現在は’16年モデルで「白四角」こと、G‐SHOCK2(スクエアホワイト)が発売中。1800円也。
PROFILE
1962年3月9生まれ。東京都出身。帝京高校の同級生・石橋貴明ととんねるずを結成。若者のカリスマ的な存在となり、今も絶大な影響を与え続ける。また1994年から絵画展をスタート。一昨年より20周年を記念した「木梨憲武展×20years INSPIRATION‐瞬間の好奇心」を開催し、全国で好評を博した。
木梨サイクル https://kinashi-cycle.com/index.html
Text:Tatsunori Hashimoto