木梨憲武’s 俺のド定番!

2017.06.07 Wed UPDATE REGULAR

【木梨憲武】 第25回 革カバン編〜その1

第25回 革カバン編〜その1

自由奔放でありながら、こなれたおしゃれ感で存在感を放ちまくる唯一無二なファッションと、ゆる~いけれど、独自の哲学に裏打ちされた大人な生き方が男子の憧れ。そんなノリさんのワードローブから“ド定番”のアイテムをひも解くメンズジョーカーの人気連載を「完全版」としてお届け! また、『メンズジョーカー プレミアム』では、各回のテーマにまつわる「番外編」も!

 

使い込むほど味が出る
革カバンのド定番はコレ!

——今回、紹介いただく「俺のド定番」は一体、何でしょう?

う〜ん…言えば“素材”ってことになるのかな。古くなればなるほど絶妙な味を醸し出す。

——むしろ経年した方がカッコよくなる素材。ということは…。

俺(笑)。…だったらうれしいんだけど、残念ながら革、レザーね! 持ってるモノで言えば、カバンに財布、あとは靴とか。

——ノリさん=革のイメージがあまりない人も多いと思います。

洋服にしろ何にしろ「自分が使って(着て)楽かどうか?」が俺のモノ選びの基準だから、カバンであれば〈木梨サイクル〉とコラボさせてもらってるおなじみの〈ポーター〉みたいなナイロン地の軽くて丈夫なヤツが好きなんですが、革ものはまた別だよね。使うほどにじみ出る味わい、そして見て!(と、愛用の革カバンを指差す)この佇まい。これがたまらない。

——確かに年季が入っていますね〜。

でしょう? コイツは『今から25年前くらい前に(安田)成美さんがスタイリストさんから「これ絶対、買っといた方がいいよ」と言われ買ったはいいが、女子にはちょっぴり大きさが余るってことで、15年ほど前に俺がゆずってもらったカバン』。…って、ネーミングが長いか(笑)。要は、あの有名な〈エルメス〉のバーキンなんだけど、この革の魅力が詰まった逸品が「俺の革のカバンのド定番」。

——ほ〜。お気に入りになったポイントと言いますと?

まず、最近は女子向けに小ぶりなサイズが主流になってるなか、デカくて何でも入るのがいいね〜。カバンでも車でもデカイのが好きだから。あと飴色って言うんだっけ? テカりの出てきた独特の色もいい。ナイロンのカバンと同じようにガシガシ使っても平気なところは、さすが元馬具メーカー(※1)。唯一、持ち手が俺には短くて肩に掛からないのが残念ではあるんだけど、そんなのも気にならないくらい気に入ってる。

——わりとラフに使っているんですか?

そうね。いただき物だから、もちろん大事には扱ってはいるけど、あくまで日用品の感覚で。時計に車、家具、家に至るまで、モノは使ってこそ、なんぼだからね。使わないとイタんできちゃう。まー(しげしげとカバンを眺めて)、ゆずってもらってから四半世紀が経って、さすがにキズも目立ってきたから、そろそろメンテしなきゃなって思いつつ、ジジイになるまで「これも味!」とか言い張って使っちゃうんだろうな〜(笑)。さて、俺がジジイになるのが先か、コイツがクタクタになるのが先か…? どっちにしろ両方いい感じのヴィンテージになっていたいよね。

 

 

【脚注】
※1 1837年に馬具工房として創業。その後はバッグだけに限らず、装飾品や服飾、スカーフや香水など、数多くの商品を展開。

 

【定番品解説】
エルメス

バーキン

1984年、エルメスの第5代社長が航空機内で偶然、隣り合わせになった名女優・ジェーン・バーキンが籐の籠に無造作に物を詰め込んでいる様子を見て、彼女のためにと、何でも入れられるバッグを製作。ノリさんはいちばん大きいサイズ50を使用。

 

 

PROFILE
1962年3月9生まれ。東京都出身。帝京高校の同級生・石橋貴明ととんねるずを結成。若者のカリスマ的な存在となり、今も絶大な影響を与え続ける。現在、『GANTZ』の原作者・奥 浩哉の人気漫画を実写映画化した『いぬやしき』(監督・佐藤信介)が2018年公開。

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