第28回 大人の基地編~その2
自由奔放でありながら、こなれたおしゃれ感で存在感を放ちまくる唯一無二なファッションと、ゆる~いけれど、独自の哲学に裏打ちされた大人な生き方が男子の憧れ。そんなノリさんのワードローブから“ド定番”のアイテムをひも解くメンズジョーカーの人気連載を「完全版」としてお届け! また、『メンズジョーカー プレミアム』では、各回のテーマにまつわる「番外編」も!
――前回は、男が一人になれる、大人の秘密基地について、ノリさんの子供のころの部屋の思い出をお聞きしましたが、一人暮らしを始めたのはいつごろですか?
とんねるずを結成してしばらくは実家暮らしだったから…21、22歳くらい。そこでも思い描く部屋のイメージとご予算のギャップに「何か違うな~」って思いながら自分なりに工夫して。でも遊びに来た友達とかに何か意見を言われると、そっち側へと転び。中~高校生の時に憧れてたアメリカンな感じなのか。はたまたバブル当時、流行ったモノトーンなのか…ブレブレになって。結果、「すみませーん、私が間違えてました!」みたいな部屋に(笑)。そういう失敗を経験しつつ、自分が本当に好きな感じがわかるまでに10年くらいはかかったかな。
――引っ越しのたびに「今度こそいい感じの部屋に!」と思うのですが、なかなか上手くいかないという読者も多いと思います。
前から持ってたものと新しく買ったもののバランスが悪いんだよね。自分が本当に好きな感じが、まだわかってないんだな~、きっと。だから洋服も一緒だけど、「俺のド定番」を早く見つける。例えば俺だったら、白いTシャツとジーパンを中心に、流行の色だとかを取り入れながらコーディネートしてけばよくって。そうなると何か買い足す時も早く決まるし、合わせ方もラクちん。部屋作りも同じだと思うんだな。
――読者が部屋=秘密基地を作るにあたり、具体的なアドバイスはありますか?
まず机周りから始めるのがいいんじゃない? その机に合うイスを買い、文房具だったり机の上に置くものを揃えてって。好きなものを並べる棚を選び、余裕があれば照明とかにも凝って…みたいな。ホント、究極は手が届く範囲でいいんだから。仕事を忘れて一人になれる、自分が心地よい場所さえあれば、それでいいの。
――前回も言ってましたが、大きさは関係ない。
そうだね。テントもキャンピングカーも俺からすれば一緒だし。狭い広いの違いはあるけど、「えーと、ココに何を置いて…」「次は何を買い足して…」って考える楽しさは同じだもんね。要は、自分はどんな感じが心地よいと思うか。楽しいのか。スニーカーとか磨きながらお酒を飲むのが楽しい人もいれば、バイクとかクルマを磨きながら…っていう人もいるわけで。何を磨くかは関係ないんだよね。好きなものを眺めながら一杯、飲みたいだけで(笑)。
――ノリさんがこれから作りたい「俺の基地」があれば教えてください。
考えたら、“洋モノ”に憧れる、自分でなんか作る、好きなものを並べる。最初に自分の基地をもらった小学生のころから40年経っても基本は何にも変わんないんだよね(笑)。歳を食うと面倒だから、座っていながらにしてすべて手が届く、昔の4畳半の方がいいくらい。最終的には、作三さんお手製の階段下(前回参照)に戻ってるんじゃないの? 結局は、そっちの方がしっくりくるんだな~。
【定番品解説】
俺の秘密基地
写真は、現在ノリさんの事務所に構えた書斎。ココから絵のアイデアや〈木梨サイクル〉の新商品のプランが生まれる。棚にはジーコをはじめ、著名人とのツーショットがズラリ。写ってはいないが『笑っていいとも!』出演時のネームプレートも飾ってある。
PROFILE
1962年3月9日生まれ。東京都出身。帝京高校の同級生・石橋貴明ととんねるずを結成。若者のカリスマ的な存在となり、今も絶大な影響を与え続ける。佐藤健とのW主演映画『いぬやしき』(監督・佐藤信介)が来年公開。“語り”を担当する土曜ドラマ24『居酒屋ふじ』(テレビ東京系 毎週土曜深0:20~0:50)が放送中。