第31回 ゴルフ編~その1
自由奔放でありながら、こなれたおしゃれ感で存在感を放ちまくる唯一無二なファッションと、ゆる~いけれど、独自の哲学に裏打ちされた大人な生き方が男子の憧れ。そんなノリさんのワードローブから“ド定番”のアイテムをひも解くメンズジョーカーの人気連載を「完全版」としてお届け! また、『メンズジョーカー プレミアム』では、各回のテーマにまつわる「番外編」も!
――ゴルフセットがズラリと並んでいるということは、今回のテーマは…。
俺が読者世代だったころ…いや、もうちょい前かな? 20代の半ばくらいで始めたのがゴルフで。テレビ局の偉い人や各方面の先輩たちに誘われ、ゴルフに競馬、あとお酒かな。これらの趣味がほぼほぼ同時にスタートして。その中でゴルフだけは今もやり続けてる。そういう意味では、俺の趣味の定番だね。
――残る競馬とお酒は?
競馬はスポニチさんでレース予想をしてるから(木梨ノリゾー名義でG1レースの予想を展開)、今や仕事の一部になっちゃったし。昔は渋谷にある場外馬券場までスーパーカブを飛ばして、それこそ朝から晩までやってたけど(第29、30回「スクーター編」)、ここ何年か仕事以外ではほどんどやらない。お酒の方も早起きになってからは(第17、18回「ホウキ編」)深酒をしなくなったね。ほら、50代にもなると睡眠が一番になってくるから。
――人間の三大欲求のうち睡眠が一番になってくると?
そうそう。深酒できない上に、深い眠りも得られなくなってくるという(笑)。若いうちは「寝る時間がもったいない」って感じで、むしろ寝てないくらいがテンション高い時もあったけど、もーう無理。
――当時ゴルフをやる1日の、大体のスケジュールは、どんな感じだったんですか?
早朝ゴルフへ出掛け、その合間に仕事をして(笑)。仕事が終わると大井競馬場のトゥインクルレースへと向かい、「ハイ、今日もみんなお疲れ~」って酒を飲み。ふらふらになりながら翌朝もゴルフに行って…って、その繰り返し。そんなの、よくやってたよね。
――若いとはいえ、ムチャクチャですね(笑)。
でも、ゴルフを含めた遊びから学んだことは多かったな~。青木功さんやジャンボ尾崎さんに可愛がってもらったのもいい思い出だし、ある時、『生ダラ(とんねるずの生でダラダラいかせて!!)』のロケだったかな? ジャンボさんちで打ちっぱなしの練習をしてたら飯合肇さんの高そうな外車にボールをブツけたり。「何やってんの、ノリちゃん~!」なんて(笑)、そんな冷や冷やもありながら、当時お世話になった諸先輩方には“大人の嗜み”ってヤツを教わった…ような気がする(笑)。
――嗜みと言いますと?
朝、先輩方を迎えに行き、飲みで終わる一連の段取り。あと先輩方と行くか、友達と行くか。会社勤めをしてる読者諸君であれば、接待なのか。誰とどこに行き、その道中をどう楽しみ、どうプレーして、どんな打ち上げをしたら「いい1日だったな~」って終えられるか。そういう人づきあいとかマナーとか、盛り上げ方、盛り上がり方を覚えられたのは、後々すっごく、役に立った。まずは自分が楽しみ、周りも楽
しませる的な。
――では、ノリさん流のゴルフの楽しみ方とは?
クラブに始まり、グローブ、ウェア。自分の身の丈に合う道具を少しずつ揃えてく楽しみ。この連載で何度か言ってるように何事も形から入る方だから。帽子(第11、12回「帽子編」)にG‐SHOCK(第13、14回「G‐SHOCK編」)…何かを集めるっていう俺の趣向は、ゴルフで完成されたかも知れない。
――ムチャできたり、誰に気兼ねなくお金を使えるのも若いうちだけですからね。
だから、若者が遊ばないなんて言われてる昨今ですが、「何かやろうよ」ってこと。今じゃゴルフだけでも前日から早寝して調整をしなきゃなんないわけで。徹夜の飲みとなると、一週間くらい前から体調を整えなきゃなんないし。ほろ酔いの中、「暴れない暴れない」、「明日が大変」とか自分に言い聞かせなきゃなんないんだから(笑)。ゴルフも競馬も飲みも全部、1日でやってたころの体力がホント、懐かしいもんね~。そうなっちゃう前に、何かしらやる。とりあえず、ゴルフから始めてみない?
PROFILE
1962年3月9生まれ。東京都出身。帝京高校の同級生・石橋貴明ととんねるずを結成。若者のカリスマ的な存在となり、今も絶大な影響を与え続ける。佐藤健とのW主演映画『いぬやしき』が来年公開。語り手を務めるテレビ東京系『居酒屋ふじ』(毎週土24:20~)が放送中。