木梨憲武’s 俺のド定番!

2016.05.09 Mon UPDATE REGULAR

【木梨憲武】第8回 Tシャツ編~その2

第8回 Tシャツ編~その2

自由奔放でありながら、こなれたおしゃれ感で存在感を放ちまくる唯一無二なファッションと、ゆる~いけれど、独自の哲学に裏打ちされた大人な生き方が男子の憧れ。
そんなノリさんのワードローブから“ド定番”のアイテムをひも解くメンズジョーカーの人気連載を「完全版」としてお届け! また、『メンズジョーカー プレミアム』では、各回のテーマにまつわる「番外編」も!

 

木梨サイクルのTシャツ

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【Tシャツ編~その2】

――夏場のノリさんといえばTシャツ。ノリさんの「俺のド定番」でもある〈木梨サイクル〉のTシャツについて、もう少し話を聞きたいのですが、基本は“俺仕様”なんですか?

そうね。サイズ感にデザイン…全部、自分が着たいもの。で、俺が真ん中サイズの“M”を着てると、いちばんカッコよく見えるように作って(笑)。

――ノリさんは身長177㎝の体重60㎏。

俺が着てるの見てれば、木梨サイクルで買ってくれるお客さんも大体イメージがつくでしょ? これを基準に、もうちょっとタイトめに着たい人はSとか。大きめがいい人はLを選んでもらえれば。

――襟のタグに書かれた「1961」というのは?

(父)作三さんが小田急線は祖師谷大蔵に木梨サイクルを創業した年で、その翌年に俺が生まれて。“1”と“9”と“6”。見た目も何かひっくり返った感じでいいな~と。

――プリントのアイデアは?

普段、自分も着るからあんま派手なものじゃなく。でも、ちょっとだけ遊んでる…例えば前に作った「OHITASHI‐40」とか「POTESARA‐25」。「ZAASAI‐70」に「CHIJIMI‐40」。和・洋・中・韓の、おつまみシリーズみたいな、くだらない発想が多いよね(※1)。

――(笑)、『とんねるずのみなさんのおかげでした』の「新・食わず嫌い王決定戦」でもよく耳にするフレーズですね。

そう。いつも番組で言ってるんだけど、居酒屋さんで、こっちは5~6人で来てるのに「すみませーん! おひたし40~」ってお決まりの文句をカッコいいふうにプリントして(笑)。あと「HAN‐CURRY」とか。蕎麦を食べに行くと、なーんか腹は一杯なのに、抑えに食いたくなるじゃない? そういうのを業者の人と相談しながら考えてるときがいちばん楽しいんだ。

――30代以上になってくると、プリントもシンプルなロゴがしっくりきます。

だよね~。「いい歳して、なんであんなカワイイ絵がついたTシャツを…!?」とか、そういう人いるもの。攻める姿勢はいいんだけど、ちょっと攻め方を間違えてる(笑)。

――ちなみに年間、どれくらいTシャツを着てるんですか?

うーん、360…いや下手すると365日は着てるかな。スーツのときでも下には白T着てるし。ワイシャツを“直”ってのがイヤなのよ。あと寝るときもその白Tのまんまだし。だから、そこの着心地は重要で、むしろ(重ね着で)下に着てるTシャツの方が高いときもあるくらい。

――パンツとか靴下もそうですが、毎日身につけるものは、歳とともにそうなってきますよね?

パンツなんかも、コレさ(見せてくれる)ドイツの〈シーサー〉(※2)ってメーカーのパンツがサイコーなのよ。前に偶然ショップで見つけて1枚8000円もするからレジで後に引けなくなったんだけど(笑)、1度履いたら、もーうやめらんなくなっちゃって。気持ちはいいわ、あまりに高すぎるわで、よれても捨てらんないっていう(笑)。でも、いい歳だから、そこはちょっと贅沢したいし。値の張るものは持ちもいいしで、長い目で見たらお得だったりするからね。やっぱ見えないところこそ、お洒落にいく。これが大人なんじゃないの?

 

【脚注】
※1 ほか「ONIONSLICE‐20」「SOBAGAKI‐16」、全7種類をラインナップ。現在は残念ながら売り切れ。

※2 ドイツで百年以上続く老舗アンダーウエアブランドが、ノリさん御用達の〈シーサーリヴァイヴァル〉。戦時中にはミリタリーサーマルの生産も手掛け、何度洗いにかけても型崩れしない耐久性を誇る。

 

 

PROFILE
1962年3月9生まれ。東京都出身。帝京高校の同級生・石橋貴明ととんねるずを結成。若者のカリスマ的な存在となり、今も絶大な影響を与え続ける。また’94年から絵画展をスタート。

木梨サイクルhttps://kinashi-cycle.com/index.html

 

 Text:Tatsunori Hashimoto

 

 

 

 

図2

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