今回のロジカルファッションは「MBの気になるアイテム」。
メンズジョーカープレミアムも秋冬の新作が大量に入荷している様ですから、その中でも私が気になったアイテムなどを語ります。
なお毎日曜に配信しております私のメールマガジン「現役メンズバイヤーが伝える洋服の着こなし&コーディネート診断(http://www.mag2.com/m/0001622754.html)」では人気コーナーとして「MBの気になるアイテム」を毎週掲載しています。興味がある方はそちらも是非。
▼迷彩なのにスーツでも使えるアイテム??
http://mensjoker.jp/shop/products/detail.php?product_id=750&color=1434
アルフレッドバニスターの迷彩柄トートバッグ。
前回「ドレスとカジュアルのバランス」というメンズファッションの大原則について語りました。未読の方はまずそちらを読んでみてください。おしゃれとは「センス」などといったアバウトな感覚で作るものではなく、構築的にロジカルに作ることができるものだと理解できるはずです。
ロジカルファッション「ファッションの大原則「ドレスとカジュアル」を語る」
http://mensjoker.jp/mb/3459
「ドレスとカジュアルのバランス」を理解した方は例えば「テーラードジャケットにスラックスではドレス過ぎる。カジュアルなデニムを合わせるのが正解ということね。」と理解できるかと思います。
こちらのパトリシオのコーディネーイトも同じですね。ミリタリージャケットにはカーゴパンツではなく黒の細身パンツやレザーシューズといった「ドレス」なアイテムを合わせるワケです。
・・・しかし、実はすべてのアイテムが「ドレス」か「カジュアル」かとパキッと二分される訳ではなく、その中間にあたるアイテムも存在するのです。
今回紹介しているアルフレッドバニスターの迷彩柄バッグなどはその典型ですね。レザー使いと黒ベースの色で見た目はドレスライクです。商品説明文にもある通り「ビジネスシーン」でもスーツと合わせて活用できるほどカッチリとした見た目になっています。
しかし迷彩柄はカジュアルの代表とも言えるディティール。普通迷彩柄のアイテムといったら・・・例えば迷彩のカーゴパンツや迷彩のミリタリージャケットなど、それらを見て「これはドレスアイテムだ」と言う人は多分いないかと思います。
ですが、このバッグに関してはドレスともカジュアルとも言い難い・・・あえて言えばドレスのような、ドレスとカジュアルの中間「ハイブリッド」とも呼べる様な印象になっています。
実は「ドレス」か「カジュアル」かといった印象を決定付ける要素は、「カーゴパンツ」「テーラードジャケット」などアイテムの種別だけではありません。
例えば「色」。礼服は基本的にすべてモノトーンで構成することから分かる通り、黒や白もしくはその中間にあたるグレーは「ドレス」を象徴します。逆にカラフルなもの、赤や緑や青など色彩が存在するものは「カジュアル」を象徴します。
また例えば「シルエット」。礼服は基本的に上下とも細いものです。シャープなシルエットは
「ドレス」を象徴します。カジュアルなはずのデニムパンツでも「細身で黒」となると大人っぽく見えるのはそういった複数の要素が影響しているからなのです。
然して、このバッグも迷彩柄というカジュアルな要素があるものの、レザー使いや黒単色の表現など巧みに「ドレス」な要素をデザインに入れ込んでいるわけです。
▼「バランサー」として機能するハイブリッドアイテム
こうした「ハイブリッド」なアイテムはドレスとカジュアルどちらの要素も持っているが故に一種の「バランサー」として働きます。例えばデニムやTシャツなどのカジュアルなスタイルにこのバッグを持てば、コーディネイトの「ドレス要素」として機能してバランスをとってくれます。逆にセットアップスタイルに持てば迷彩柄により、コーディネイトのわずかな「カジュアル要素」として機能してこれまたバランスをとってくれるのです。
「ドレスとカジュアルのバランス」を調整する中で、こうしたハイブリッドなアイテムは大変に重宝します。いずれかに傾いても器用にバランス調整してくれるからです。
http://mensjoker.jp/shop/products/detail.php?product_id=1399&color=1540
もちろんこういったハイブリッドアイテムはバッグだけでなく他にもあります。例えばこちらのパーカなど。パーカといえばカジュアルなアイテムの代表格ですが、こちらはどこか落ち着いた大人な「ドレス」な印象があるかと思います。
アイテムこそ「カジュアル」ですが、例えばパーカーの象徴的なディティールである「カンガルーポケット」を縫い目に沿わせて目立たない様に設置したり、立体的な作りで身体にフィットさせるように細身にのシルエットにしたりと、工夫が見られます。
こういったアイテムはインディゴデニムを合わせても、スラックスを合わせても馴染んでくれるバランサーになります。「着まわしやすい」とはよく聞く言葉ですが、理屈的に紐解けばこのような意味になるのです。
これから秋冬物のショッピングをされる方も多いでしょう。是非「ハイブリッドアイテム」に着目してみてください。「着まわしやすい」万能アイテムを手に入れるヒントとなるでしょう。ご参考までに・・・