「普段着をおしゃれに着る」という「ノームコア」の潮流が市場を席巻している近年、すっかり「スタンダードがトレンド」というちょっと異色な流行が出来上がってしまいました。ファストファッションもデザイナーズブランドもこぞって無地でシンプルでスタンダードな形の服をリリースし、ブランドの特性や個性をパッと見では判断しにくい状況が続いています。

それは全く悪いことではなく、スタンダードなものをオシャレに着るというスタイルはコーディネイトの基本。個性が激しいものや過度に装飾あるものはどうしても着こなしのハードルが難しく、それらにあえてチャレンジする必要もありません。「着こなしの難しいものに挑戦したスタイルこそが上級者の”優れたオシャレ”である」とどうも曲解されがちですが、スタイリストさんやモデルさんなどいわゆる世間が認めた「上級者」にあっても、スタンダードな着こなしは意外と多いものです。別に「個性的なスタイルこそが至上」という訳ではありません。

・・・しかしとは言え、そんなノームコアトレンドにおいて、「無地ばかりで少し飽きたな」と思うのも当たり前の流れ。あえて難しいコーデに挑戦する必要もないのですが、「スタンダードに少し飽きる」という感覚は理解できます。そんな時、ちょっとばかしアクセントのある「やや着こなしが難しい」くらいのアイテムに手を出すのが個人的にはオススメ。

▼スタンダードに飽きたくらいにちょうど良い「同系色パッチワーク」

http://mensjoker.jp/shop/products/detail.php?product_id=1832&color=1621

前回のメンズジョーカーの撮影時からどうにも気になっているのがこの〈ハリウッド ランチ マーケット〉とのコラボアイテム。パッチワーク状にヴィンテージアイテムを貼り付けてリメイクしたミリタリーシャツです。

9月17日に発売した私の書籍「最速でおしゃれに見せる方法」(扶桑社)において、「MBの私服コーディネイト」を掲載した部分があるのですが、そこでも私はパッチワークでリメイクした軍パンを着用しています。

色とりどりの派手な切り替えや、過激なデザインなどはあまり好きではありませんが、同系色でまとめたパッチワークには昔から惹かれてしまいます。

「同系色でまとめているから遠目には無地っぽい・・・けど実はパッチワーク」そんな程よい遊び心、程よいデザインが無地モノやスタンダードアイテムに飽きた時期に丁度良いもの。書籍に掲載しているパッチワーク軍パンを購入したのもそんな気分の時でした。

▼シャツなので着まわしも比較的カンタン

この〈ハリウッド ランチ マーケット〉のパッチワークシャツ。良いところが「シャツ」であるというところ。スウェットやらデニムやらでパッチワークをすると「ドカジュアル」になりすぎてコーディネイトがとても難しくなるのですが・・・シャツという大人っぽいドレスライクなアイテムカテゴリにおいてパッチワークを表現することで、比較的着まわしやすいものにまとまっています。

スラックスや黒スキニーなどクリーンなドレスアイテムで合わせるのがオススメ。インナーは今年らしくタートルネックなどが一番簡単にサマに見せることが出来るでしょう。

この秋冬多くのブランドは無地モノ中心のスタンダードアイテムばかり。インナーに入れても少しアクセントとして機能するこんなパッチワークアイテム、一枚手に入れておくのも賢いかもしれませんね。